ポンプと噴水

 博覧会などで噴水は人々の耳目を集める格好の広告媒体として、社名や商品名の売り込みに大いに利用された。福助足袋と広告合戦を繰り広げた足袋メーカー、つちやたびの巨大噴水「水晶塔」や、中山太陽堂の「カテイ石鹸大噴水塔」(http://blogs.yahoo.co.jp/eigajin/53192549.html)などもその一例である。また、時には噴水そのものが商品の広告になることもあった。先の「カテイ石鹸大噴水塔」は中山太陽堂の宣伝塔であっただけでなく、その動力たるポンプを製造した酉島製作所の宣伝塔にもなっていた(http://blogs.yahoo.co.jp/eigajin/29623261.html)。ここでは、ポンプメーカーによる自社製品の性能の喧伝を兼ねた噴水の数々をご覧頂きたい。
 
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「第十三回共進会出品 合資会社幸袋工作所(福岡県幸袋)」絵葉書
※1910年(明治43年)第十三回九州沖縄八県連合共進会・幸袋工作所機械館
 
館内には出品機械五台を陳列し、其の出品物運転の為め汽缶を据付け蒸気管、排気管、水管等を附設して揚水量を現はす為め館前に噴水池を設け絶へず揚水を噴出せしむ。(『建築雑誌』301号)
 
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「第十三回共進会出品 合資会社幸袋工作所(福岡県幸袋)」絵葉書
※館内に展示された出品機械(ポンプ)の一つ
 
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「大阪日報主催第二回納涼博覧会噴水(畠中ヒューガル喞筒制作部出品)」絵葉書
 
 
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「勧業館前の大噴水 日本産業博覧会」絵葉書
※「大正型松田式ポンプ木管」とある。
 
 
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「(中部日本興国産業博覧会)第二会場墳水及余興場光景」絵葉書
※手前の小屋の看板に「神藤ポンプ製造株式会社 出品 渦巻ポンプ」とある。
 
 
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「大正博覧会第一会場正門内 工学博士井口在屋先生発明ゐのくち式渦巻ポンプ」絵葉書
 
 
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「大正博覧会第一会場 噴水」絵葉書