2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

楊柳観音噴水(1903年)

1903年(明治36年)大阪で開かれた第五回内国勧業博覧会に登場した「楊柳観音」の噴水。当地ではその色っぽさが話題になった。 こんな事件も新聞で報じられている。人波をかきわけて噴水池に入ろうとするひとりの青年。見つけた守衛の制止も聞かず、青…

大典記念京都博覧会の噴水(1915年)

一九一五年(大正四年)、大正天皇の即位式のひと月前の十月十日から京都で始まった大典記念京都博覧会の噴水塔。祝意を表す瑞獣として、池の中央に建つ石柱の上には双翼を広げ今まさに飛び立とうとする「霊鷹」、石柱のたもとには三頭の「麒麟」を配する。 …

戦争・天皇・水道―祝う噴水(5)

一八八九年(明治二十二年)北海道・函館の市中を訪ねてみよう。九月二十日の疎水式に向け、街はさまざまな装飾で埋め尽くされていった。 「今度の疎水式に付種々の飾り物を作る中に水道の水を利用して噴水など装置るには区役所の許可を得る事なるが右出願は…

戦争・天皇・水道―祝う噴水(4)

水道通水から三年後の一八九八年(明治三十一年)九月、大阪でまた新たな噴水の設置計画が持ち上がる。 九月十四日の大阪市会。議事案件は「行幸奏請ノ件」(『大阪市会史』第三巻)。十一月に府下で軍の特別大演習が行われる。統監する天皇陛下は大阪市内の…

戦争・天皇・水道―祝う噴水(3)

一八九六年(明治二十九年)二月二十六日の市会では、扇谷五兵衛議員から「中ノ島公園噴水撤去二関スル建議案」が提案された。議員曰く「前年中ノ島公園二建設シタル噴水ハ意匠構造共二宜シキヲ得ス公園ノ風致ヲ害スルノ感アル」。噴水が公園の美観を損ねて…

戦争・天皇・水道―祝う噴水(2)

もっともこの噴水、凱旋祝賀会のために建設されたというよりは、竣工がたまたま凱旋祝賀会に重なったといったほうが正しそうだ。 市が予算案を市会に図ったのは二月。その後「四月十五日の頃は其工を竣ふべしと伝説しながら今に至りて未だ著しく其工の進歩し…

戦争・天皇・水道―祝う噴水(1)

華やかで、非日常的な空間を簡単に作り出せる噴水は、祝祭の「おめでたい」気分を盛りたてる装置の一つとしてしばしば登場する。例えば、戦勝を祝う式典で。例えば、皇室の御慶事を祝う街角で。セレモニーが終われば取り払われる仮設の工作物として作られる…

関西の噴水事情

関西の噴水事情の鍵になる1895年(明治28年)から1903年(明治36年)あたりを大捜索中。綺羅星の如し。 1895年(明治28年)6月18日発行『風俗画報』表紙 「大谷派本願寺(大噴水)」絵葉書 「東本願寺非常用噴水」絵葉書 1895年(…