2007-01-01から1年間の記事一覧

第二回関西九州府県連合水産共進会の噴水

明治40年(1907)、関西・九州の各県を中心に20の府県が参加し、「第二回関西九州府県連合水産共進会」が長崎市で開かれた。噴水は正門を抜けた先に広がる中庭の中央にあった。2万5千点に及ぶ水産物・水産加工品を集めた「水産」をテーマとする共進会らしく…

鬼のミイラ

半年前、クダンの絵葉書を見つけた某古書市で、またまた珍しい妖怪ミイラの絵葉書を百円で拾う。私の知るかぎり、過去に取り上げた本のない初見のもの。初日から三日間、よくぞ誰にも拾われず残っていてくれた。古本の神様に感謝感謝。 裏と表、何度ひっくり…

東京大学噴水物語(四)

噴水受難の時代 戦時期は噴水にとって受難の時代であった。 政府は戦争遂行に必要な金属資源の不足を補うべく、国民からの金属回収に踏み切った。時局の悪化とともに、金属類回収令の公布(昭和16年8月)、銅像等ノ非常回収実施要綱の閣議決定(昭和18年3月…

東京大学噴水物語(三)

昭和24年(1949)10月、東京大学消費生活協同組合出版部から一冊の本が刊行された。日本戦歿学生の手記、『きけわだつみのこえ』である。瞬く間に二十数万部を売るベストセラーとなり、今なお読み継がれるこの本の登場がなければ、図書館前の噴水はなくなっ…

東京大学噴水物語(二)

『総合図書館ガイド2007』を見ながら総合図書館の歴史を簡単に振り返ろう。 東京大学における図書館の設置は明治10年(1877)まで遡る。江戸時代から受け継がれた資料を中心に蔵書を増やし、震災直前には76万冊に及ぶ蔵書があったという。しかし、大正12年(…

東京大学噴水物語(一)

晴れた日には噴水の水音もいっそう心地よい。東京大学本郷キャンパス、総合図書館前の噴水である。重厚な総合図書館の建物を背景に、両脇の楠の大木とともに「ここしかないというほど動かし難い位置を占め」(*1)、構内最高の空間を生み出している。夏季休…

噴水紳士録:伊豆長八と西岡景房

明治21年(1888)7月17日、品川の第二台場沖に大きな鯨が現れた。 船で沖合に繰り出した見物人が見守る中、鯨は盛大に潮を噴き上げ、一同大喝采だったという。当時の警視総監、三島通庸もこの鯨の潮吹きを見物した一人である。 ところで、これが日本における…

【番外編】ホノルル・カピオラニ公園の噴水

大正天皇の即位式を11月に控えた大正4年(1915)夏、海の向こうのハワイでは、即位を祝し、在留邦人による噴水建設計画が持ち上がっていた。有志で結成した「御即位大礼奉祝会」が旗振り役となり、1万人の会員が集まるという見込みの下、会員からひとり1ド…

「噴水の少い都市」

東京美術学校(現東京藝術大学)で図案科の教授を務める等、明治時代後半から昭和にかけて日本の図案工芸界の先駆者として活躍した意匠家、島田佳矣(よしなり)は大正11年(1922)、雑誌『現代之図案工芸』(8巻7号)に「噴水の少い都市」という小文を寄せ…

「大本営跡の噴水」

広島軍用水道布設部にては旧大本営跡へ噴水を設くるに付其構造を鯉の形にとり其口より噴水せしめんとの議ありしところ嚮に軍用水道布設部長児玉源太郎氏の同地に赴むきし折しも軍用上の工事として然る贅沢なる仕懸をなさんは面白からずと云いしため之を見合…

「高須缶詰工場開業式」

呉両城なる高須缶詰工場にては去る廿七日午前九時より開業式を挙行せしが当日工場に緑門二箇所を設けて嘉賓歓迎門となし数百の球燈を掲げ屋上に餅撒台を設け場内の装飾すべて意を用いたるが中に式場正面には牛頭を作り缶詰を以て山を築き尚汽関の作用にて噴…

箕面動物園の噴水

箕面動物園は、箕面有馬電気軌道(のちの阪急)が沿線開発の一環として大阪府箕面市の箕面公園に開設した動物園である。開園は明治43年(1910)11月1日。「広さ三万坪道路延長三哩 珍らしき動物無数四季の草花絶間なし 各所に休憩所あり 余興いろいろ」とい…

「箕面噴水の争水」

遊楽の公園と稼穡の農民 府下豊能郡箕面村大字平尾の農民等は夏季灌漑用に供する為め毎年箕面山報恩寺及びカヤボ谷より落下する箕面川の渓流を堰き止め夏至以後百日間許り是を貯水して必要に応じ少量づつ同部落七十余町歩の田地に放下し来り本年夏季にも同じ…

三越・児童(こども)博覧会の噴水

先週の古書展で見つけた、三越の児童博覧会のリーフレット。 開催年の表記はないが、明治42年(1909)4月1日から5月15日にかけて開かれた、第一回の児童博覧会(児童博覧会は第九回まで行われている)の会場案内と思われる(初田亨『百貨店の誕生』参照)。…

道徳公園の噴水

「道徳公園 真宗宣伝倶楽部ヨリ西北ヲ望ム」。鯨の噴水。

仙台・西公園の噴水

「仙台 随一の散策地 西公園」の噴水。

銀座三越の噴水

「銀座三越屋上噴水」。

広島市上水道水源地の噴水

「広島市上水道水源地」の噴水。かなりの高さまで噴き上げるスケールの大きな噴水である。よく見ると魚(鯉?)の口から水を噴いている。

大阪築港倶楽部の噴水

「大阪築港倶楽部噴水池」の噴水。女性? 細部の写りが悪く詳細は不明。

宝塚新温泉の噴水

「宝塚新温泉」の「美人噴水」。足元に写っているのはバルブだろうか。温泉という土地柄、温水が噴き出していたのかも知れない。場所は屋内?

此大噴水ハ藤…

※本記事は「カテイ石鹸大噴水塔」の続きです。 噴水塔の脇へ視線を転じてみよう。池中にはなにやら文字の書かれた丸い看板が並んでいる。途中で見切れてしまっているが、いったい何と書かれていたのだろうか。 少し引いて見ると全部で19文字分の――1文字は電…

大根役者

こんなに物憂げな表情になってしまった男の心中をお察しいただきたい。

福島・紅葉山公園の噴水

(書きかけ)

私しや豊後の別府の生れ

人語をあやつり戦災や天変地異を予言するという半人半牛の妖怪、「クダン」の剥製であろうと推測するが、あまりに奇っ怪な姿に絶句する。猿とも犬ともつかぬ、毛に覆われた白い不気味な顔の下には、黒い牛の頭がある。双頭の「クダン」なのだ。からだはホル…

カテイ石鹸大噴水塔

大正11年(1922)、東京の上野公園を舞台に催された「平和記念東京博覧会」。第二会場となった不忍池には、ひときわ目を引く2つの巨大な噴水塔があった。ひとつは、つちやたび(現在のムーンスター)の「水晶塔」。四面ガラス張り七層の塔で、最上部から噴き…