塩江温泉の噴水(続)

イメージ 1

イメージ 2

 香川県塩江町(現在は高松市と合併)の『塩江町史』(塩江町史編集委員会,1970)には、

 「浴場西側の谷間に白纓(しらお)の滝がある(纓はエイとも読み冠の結び組の意味である)。
 これは黒い岩肌に細い滝の流れが白い紐のように流れ落ちているところから名付けられたものと思われる。
滝附近の岩の上に噴水塔が作られ一層涼味を増していた。この噴水塔は明治三十五年高松市で開かれた
第八回関西府県連合会共進会施設品の払い下げを受けたもので、冬は大きな氷柱ができ温泉名物の一つと
なっていたが昭和十二年軍需品として供出してその姿を消した。」

 と記されている。
 絵葉書では定かではなかったが、移設後も噴水としてきちんと機能していたらしい。


 「第八回関西府県連合会共進会」は、明治35年4月11日から5月30日までの50日間、
 高松市玉藻城趾(高松城趾)を会場として開かれた一種の物産展である。

 香川県内務部『第八回関西府県連合共進会事務報告書』をひも解いてみると、
 たしかに会場平面図の一角に芝生に囲まれた噴水を確認することができた。

 しかし、閉会後の経緯等は確認できなかったので、詳細についてはさらに別の史料を見つけたい。