人魚のミイラ

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 干物と水物を行ったり来たり。
 
 絵葉書ではないが、先日古書市で拾った新聞記事の切り抜き帖の中に人魚のミイラがあった。この記事を載せた新聞社主催のイベントに出品されたものらしい。出品者は和歌山県猿川村の東浦庄太郎氏。
 
 切り抜き帖には「百珍の出品から」(一)~(六)まで貼り付けられているが、残念ながら、いつのどこの新聞の記事なのかはっきりしない。ただ、人魚のミイラ以外の出品者が名古屋市在住4名、岡崎市在住1名と偏っていることを考えると、名古屋の新聞である可能性が高い。
 
 新聞記事の素性は分からないが、このミイラは現在、鹿児島県奄美市の原野農芸博物館に所蔵されている。原野農芸博物館は昭和63年まで大阪にあり、その次代、1965(昭和40)年1月に和歌山県の個人から譲り受けたものだという。未紹介のミイラではなかった点は残念だが、貴重な出現記録である。
 
 
《参考文献》
 ・国立科学博物館『化け物の文化誌―化け物に注がれた科学の目』、2006年
 ・山口直樹編『[決定版]妖怪ミイラ完全FILE』、2010年