2011夏:噴水の旅―道後温泉の噴水

 8月13日、松山にある「坂の上の雲ミュージアム」を訪れた。ここは司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」をテーマとした博物館で、平成19年にオープンした若いミュージアムである。原作の人気に加え、ドラマ化も後押しし、すでに70万人以上の来館者を迎えたという。恥ずかしながら原作は未読、ドラマは未視聴、全くの冷やかしで訪れたのだが、偶然噴水の資料を見つけることになった。すべての道は噴水に通ず、である。
 
 2階から3階へ続くスロープの壁に『道後温泉絵図』という古い絵図を拡大したパネルが展示してあった。1895(明治28)年6月に発行された道後温泉の絵図で、現物は愛媛県歴史文化博物館所蔵となっている。この絵図の一角に噴水らしきものが描かれていたのだ。
 
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 絵葉書などと違い、絵である以上、噴水の形が不正確だったり、実在しなかった噴水が描かれている可能性には注意しなければならないが、まずは大発見だ。道後温泉のシンボル、道後温泉本館の完成は1894(明治27)年。その頃に作られた噴水だろうか。面白い事実が出てくることを期待したい。