夏目漱石の墓と噴水(後編その2)

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 明治28年12月、金太郎噴水のお披露目はこの池で行われた。
 
イメージ 2靖國神社内濆水 鯉濆水ハ銅製 前田侯ノ寄奉」とある
 
 名刺サイズの小さな古写真に写った金太郎横の立札。米粒ほどの立札に書かれたゴマ粒ほどの文字をパソコンで拡大し、眉間に力を入れ薄目で凝視すると「奉納銅製噴水器壹器」「従三位侯爵前田利嗣」と見えてくる。
 
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眉間にグッと力を入れ薄目で凝視
 
 「…大鳥居より左の片額堂の屋根にハ小林組の掲げたる一大額あり隷書もて慰忠魂の三字を書す墨痕凛として萬衆の指目を引く額堂の前なる小池にハ三重の噴水器あり一ハ此度の献上品にかゝる噴水混々として白糸の瀧の如く春ならなくに落花狼藉の観あり」。12月17日付の『都新聞』は美文調の取材記事でこのように境内の様子を伝えている。