2011夏:噴水の旅―地方博覧会の噴水(2)

 愛媛県立図書館では合計30点の博覧会資料を見せて頂いた。
 
 ●『豊橋市商工会主催全国特産品博覧会誌』
  1930(昭和5)年、愛知県の豊橋市で開かれた博覧会。会期は3月20日から5月13日まで。会誌の本文中には、噴水について書かれた文章を発見できなかった。あったのは噴水の写真が1点。豊橋新報』1930年3月27日の記事「特博観覧記」では「庭には服部醤油合名会社の噴水心地よく池の中には鯉魚か游泳し大衆を喜ばせ、田中屋の人形に次での美観である」と紹介されている。醤油からの連想か、漏斗らしきものから噴水する仕掛けになっており、それを支える天使像?というデザインになっている。JA豊橋のウェブサイトによれば「船町でしょうゆ醸造業を営んでいた服部平之助氏」という人物がいるらしいhttp://www.ja-toyohashi.com/brand/rekishi/onsituengei_hassyou/onsituengei_hassyou.html。噴水の台座のマークは、服部平之助氏の「平」の字をデザイン化したものだろうか。
 
 ちなみに、この博覧会にも我らが浮田仙太郎氏が顔を出す。この時期、昭和初期の博覧会では本当によく登場する。会誌によれば、「サークリング」という遊具機械を「大阪市浮田電気営業所」が経営していたという。どのような遊具だったかといえば、「支柱に吊下したる大円盤上に人を載せ電動力にて運転し一上一下転回する」と説明がある。おそらく、一般的には「サークリングウェーブ」と呼ばれていた人気遊具だろう。しかし、資材の到着が遅れ、竣工した頃には「児童の学年末休暇を逸し」、「経営者が土地柄に通せざりし」ことも災いし思う程には繁盛しなかったそうだ。
 
イメージ 1
 
イメージ 2
そんなところにいたらずぶ濡れですよ!