「電気変色噴水塔」

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東京朝日新聞 明治40年3月9日

東京勧業博覧会記事
電気変色噴水塔

 昨日漸く仮小屋を取払い段面の硝子張り工事中なるが其構造は人造石もて八角稜六段に積み上げ階段には一角毎に石造の獅子を置き其上部には希臘の神話に基き翼ある馬を按し之に希臘モニュメント型の円塔を据え付け頂上にバッカス神の裸体立像を安置せり像は右手にコップを持ち左手に一総の葡萄を携えたるものなるが像の小なる為め余り引立たず段面には色硝子を簾状に張詰め其内部に数十個の赤青紫三色に変化する電燈を備え付け之に点火する時は硝子に反映して美観を呈するのみか八面六段の獅子、馬等より噴出する水は其光を受けて七色の虹を現わすにより愈竣功の暁には場内第一の呼び物となるべし