2010-11-13から1日間の記事一覧

東京大学噴水物語(十・補遺)

銅像には人を冷静ではいられなくする何かがあるらしい。銅像に涙し、激高し、かつぎ出し、戦場へ送り、紙玉をぶつけ、縄を掛けてひきずりまわす。銅像に振り回される人/銅像を振り回す人という連想で、東大五月祭と絡めて話を一つ。題して「忠犬ハチ公・イ…

東京大学噴水物語(九・完)

「年に二三度の他は可能性をひそめて黙す『九輪』」(『東京大学学生新聞』昭和29年5月21日付)とは物は言いよう。昭和26年(1951)に復活を果たした噴水塔であったが、水を噴き上げるのはもっぱら学園祭など特別な時ばかりだった。美化せずに語…